今日は皮膚呼吸についての話です。

広辞苑では皮膚呼吸は以下のように書かれています。

「皮膚などの対表面で行う呼吸。呼吸器を持たないミミズ・ヒルなどで行われる。肺のあるカエルなどでも、全呼吸活動のかなりの割合を占める。哺乳類では1%以下。」

さて、カエルなどは皮膚呼吸をするということですが、人間はどうなのでしょうか?

哺乳類では1%以下・・・ということは、人間も哺乳類なのだから、あんまり皮膚呼吸はしていないということなのでしょうか?


諸説紛々!皮膚呼吸


皮膚呼吸については、昔から諸説紛々で、様々な話が飛び交っています。

例えば、「金粉を全身に塗ると皮膚呼吸ができなくて死んでしまう」とか「大火傷を負ってしまうと皮膚呼吸ができなくて死んでしまう」などという話は誰でも聞いたことあるのではないでしょうか。

また、美容・健康関連の分野では、「皮膚呼吸を妨げてしまうと美容や健康に悪影響を与えてしまう」とか「皮膚呼吸がスムーズに行えるように注意しましょう!」などとさかんに言われたりしています。

▼ 以下は、雑誌・本・パンフレット・新聞・インターネットなどから抜粋してきた皮膚呼吸に関する記述です。



≪美容・健康分野で言われている皮膚呼吸に関する気になる話≫

☆ このファンデーションは皮膚が呼吸できるとても自然なファンデーションです!一般の化粧品は鉱物油がフタとなって皮膚が呼吸できません。

☆ 私たちが生きていくためには酸素が必要です。鼻や口から息をするのと同じように、皮膚も呼吸をしています。皮膚呼吸は生命を維持していくうえでとても大切なのです。

☆ 化粧品で皮膚呼吸を妨げられてしまうと、細胞は窒息し、新陳代謝ができなくなってしまいます。

☆ ○○○には、酸素を供給する働きがあり、皮膚に新鮮な空気を送って皮膚呼吸を促進する働きがあります。

☆ メークの固形成分が皮膚呼吸を止めてしまうと皮膚細胞は荒れます。人間は全身の皮膚の毛穴で呼吸しているのです。

☆ 究極の美肌は皮膚呼吸と○○○〜皮膚呼吸を止めるメークは肌を荒す。皮膚呼吸を楽にする正しい美容方法・・・・

☆ すべての生き物は皮膚でも呼吸している。そのため、やけどなどで皮膚に大きなダメージを与えるとそのショックで死んでしまうこともある。

☆ はだかで寝ると、皮膚呼吸がさかんになる。皮膚をすべて空気にさらすと、被服に妨げられることなく、皮膚はのびのびと呼吸をする。すると、皮膚の代謝が活発になる。

☆ 絶対に他社のクリームは使わないでください!!皮膚呼吸を止めてしまいます!!〜皮膚呼吸は皮膚の健康に大変重要です。皮膚呼吸を止めると言うことは肌に酸素を供給できなく老化を早める可能性があるのです。

☆ 人の呼吸活動の30%は、皮膚呼吸です。皮膚呼吸によって、長時間身に付けている衣服と住環境から化学物質を体内に取り込み続けているのが、私達の生活だということになります。

☆ 皮膚呼吸は酸素を取り入れ、老廃物を体の外に出します。ですから、皮膚が弱く皮膚呼吸が十分にできないことは、万病のもとなのです。

☆ 皮膚呼吸が妨げられると、問題は皮膚だけに留まりません。呼吸器をはじめとする内臓に負担がかかり、様々な病気やアトピーなどの原因になると言われています。

☆ 毛穴の角質を取り除き皮膚呼吸をさせることが素肌美につながる。



さてさて、これらの記述について、皆様どのように思われますでしょうか。

「専門家が言ってるのだから、なるほど、やっぱり皮膚呼吸はとても大切なんだ!注意しなきゃ!」なんて考えてしまうかもしれませんね。


人間は皮膚呼吸はしない!


基本的には、上記の皮膚呼吸に関する記述部分は全て科学的根拠あるいは医学的根拠のないものと考えた方がよいと思います。

まず、呼吸とは、空気中の酸素を血液中に取り込み、血液中の二酸化炭素を空気中に出すことです。

簡単に言えば酸素と二酸化炭素の交換と言えますが、皮膚表面から二酸化炭素がわずかに空気中に出ることがあったとしても、体の活動を支えるような量の酸素が皮膚を通して体内に入ってくることはありません。

皮膚呼吸については、どうも毛穴から酸素が入るような記述が多いようなのですが、それはありません。

また、表皮の薄いところでは、酸素や二酸化炭素がごくわずか、皮膚表面と表皮下の毛細血管との間で交換されているとされていますが、その量は全体のガス交換(呼吸)量の1%以下程度です。

こういったことから考えると、少なくとも人間にとって皮膚呼吸は生命維持のためには必須ではありません。

むしろ、「人間は皮膚呼吸を行っていない」というのが分かりやすいというか普通の表現ではないでしょうか。

これは、人間に限らず、その他の哺乳類や鳥類も同様です。

なお、脊椎動物では、両生類や爬虫類が、肺で呼吸するほかに皮膚や粘膜を利用した皮膚呼吸を行っているようです。


皮膚呼吸を信じさせるいくつかの話について


皮膚呼吸が重要という説の根拠としてよく聞く話として、「金粉を全身に塗ると、皮膚呼吸を止めてしまうと、○○分ほどで死んでしまう」という話があります。

これは、昔の映画(1964年)「007ゴールドフィンガー」の中で、全身に金粉を塗られ殺された女性がいたことからきているのではないでしょうか?

実際には、金粉を体中に塗り、皮膚呼吸が出来なくて死ぬということはありません。

プールに顔だけ出して長時間入っていても窒息しませんし、ダイバーの皆さんが皮膚呼吸できなくて死んでしまうということもありません。

冒頭で触れましたように、ガス交換として皮膚呼吸が行われるとしても全体の呼吸の1%程度であり、生命の維持にはそれほど大きな問題ではないからです。

もちろん、皮膚に何らかの物質を塗ったことにより問題が生じるケースも確かにあります。

しかし、その場合、皮膚呼吸が阻害されたためではなく、塗布した物質の有害性によると言えます。

また、全身に大火傷を負うと、皮膚呼吸ができなくて死んでしまうなどという話もあります。

これも実際には皮膚呼吸ができなくなるからというよりも 々眷にさらされたことによる熱中症 皮膚組織の損傷に伴う体液の損耗およびそれによって発生するショック H乕罎了つ抗菌作用が損なわれる事による感染症などによるとのことです。


誤った健康・美容情報に惑わされないように


問題なのは、先に紹介した通り、いまだに皮膚呼吸にまつわるウソが氾濫しているという実態です。

特に、美容・健康関連分野では、「皮膚呼吸を妨げないファンデーション・メイク」「皮膚呼吸を妨げない油脂を使った基礎化粧品」「皮膚呼吸を促進する美容健康の方法」・・・などの宣伝文句を多く目にします。

中には、お医者様主催のホームページにも皮膚呼吸についてとんでもないことが書かれていたりしてびっくりしてしまいます。

こういった方々が、本気で皮膚呼吸が重要だと信じ込んでいるのか、それとも人間は皮膚呼吸をしないということを知りながら商品の宣伝のために言っているのか・・・それは定かではありませんが、いずれにせよあんまり信頼はしない方が良いでしょうね。


・皮膚は私たちの体を守ってくれる大切な器官


なお、皮膚は、体の表面をおおっている人体最大の器官で、外界にさらされながら私達のからだを様々な環境の変化から守ってくれています。

その機能は多岐に渡り、体温調節、知覚、分泌・排泄、防御(バリア機能)、保護など、さまざまな役割を担っています。

皮膚呼吸云々の問題はさておき、皮膚を健やかな状態に保つということは、美容面だけでなく、体全体の健康面においても、たいへん重要であるというのは事実です。

正しい美容知識のもと、毎日優しくケアしてあげてくださいね。



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