紫外線は様々な悪影響を私たちの肌にもたらします。

若々しく健やかな肌を保つためには、なるべく紫外線を浴びないようにすることですが、日常生活では少なからず紫外線を浴びてしまいます。

様々な紫外線対策が考えられますが、ここでは化粧品による紫外線対策について取り上げてみます。



〜対策その1〜
肌表面で紫外線の侵入を防ぐ



まず、紫外線の攻撃から肌を守るために、紫外線が肌内部に侵入しないように防御することが必要です。

よく言われる例として、私たちの体の皮膚の中で、紫外線を遮るものが無い顔や手などと、衣服などで紫外線が遮られている箇所を比較すると、その違いがよく分かると思います。

手は手袋の使用で紫外線を防ぐことができますが、顔の場合は帽子や日傘などを使用したとしても、どうしても紫外線を浴びてしまいます。



紫外線のうちUVAは、1年を通してかなりの量が降り注いでいます。くもりの日でも、思ったほどは少なくなりません。

また、UVAは窓ガラスを透過しますので、室内や車の中でも注意が必要です。

季節を問わず、朝起きたらファンデーションをつけるようにした方がよいでしょう。

紫外線防止効果を特段謳っていないファンデーションでも、それなりの紫外線防止効果はあります。



紫外線量が増える春から夏にかけては、紫外線防止効果のある化粧品を利用しましょう。

紫外線散乱剤や紫外線吸収剤の入ったファンデーション、下地クリーム、乳液などです。

ただ、紫外線吸収剤については、肌への悪影響が心配です。紫外線散乱剤を使用した化粧品によって、紫外線の攻撃から肌を守りましょう。



〜対策その2〜
日焼け対策の基本は肌保湿



過度の日焼けでなくても、日々少しずつでも紫外線を浴び続けると、気づかないうちに乾燥しやすい肌になっていることがあります。

紫外線は、表皮細胞を傷つけるとともに、皮脂膜・NMF・細胞間脂質のはたらきを弱め、肌本来の保湿機能を低下させます。

同時に、バリア機能も低下させますので、様々なトラブルが発生しやすい状態となります。

紫外線の悪影響を少なくするためには、保湿対策をはじめとした日々のスキンケアが大切です。

肌の保湿機能やバリア機能が常に正常に保たれるよう、日ごろから正しい洗顔と保湿ケアを心がけましょう。



また、過度に日焼けした肌をケアするためにも、保湿ケアが重要です。

大量の紫外線を浴びると、肌の水分は奪われ、保湿機能・バリア機能自体も著しく低下します。

肌に水分を補給するとともに、肌を保護するためにも、化粧水や乳液などを利用しましょう。

通常、こういった保湿ケア製品には、保湿成分や美容液成分に加え、炎症を鎮める成分などが含まれています。

日焼け後の肌は、こういった化粧品によってきちんとケアすることが大切です。



〜対策その3〜 
紫外線による肌機能低下、その対策は?



紫外線のうち、UVBは表皮基底層まで達し、UVAは真皮層まで達します。

表皮基底層で生まれた表皮細胞は、新陳代謝により皮膚表面まで押し上げられ、その後剝がれ落ちます。

通常、この新陳代謝のサイクルは28日と言われ、ほぼ一定化しています。

紫外線は、表皮細胞に損傷を与え、新陳代謝のサイクルを乱してしまいます。

その結果、十分な保湿機能・バリア機能を有しない角質層が形成され、肌は潤いを失いやすく、肌荒れなどが起こりやすくなります。



また、真皮層まで達した紫外線は、真皮の繊維芽細胞に損傷を与え、コラーゲン繊維やエラスチン繊維の生成・維持に悪影響を及ぼします。

その結果、肌のハリや弾力性が失われ、シワやタルミが発生してしまいます。

真皮層の劣化によるシワは深くなりがちで、化粧品などでの改善は難しいと言われます。



それでは、化粧品でどのような対策ができるのでしょうか?

化粧品が表皮基底層さらには真皮層まで浸透し、そこで何らかの成分効果を発揮し、細胞の修復等ができるのであればいいのですが・・・

残念ながら、化粧品にはそういったはたらきはありませんし、法令上もそういった効能効果は認められていません。

化粧品でできる対策としては、肌表面(角質層まで)の状態を整え、健やかに保つということになります。



まずは、肌表面の保湿対策をしっかり行うことです。

本来、肌の適切な水分維持というのは、適正な新陳代謝と真皮層からの水分補給によって成り立っています。

表皮基底層、さらには真皮層まで達する紫外線は、こういった肌本来の機能に悪影響を及ぼします。

紫外線の悪影響を最小限に抑えるとともに、紫外線による肌水分の低下を補うためにも保湿ケアが必要です。

化粧水などで、水分不足に陥った肌に水分を補給するとともに炎症をやわらげましょう。

乳液やクリーム、あるいは美容液などで肌水分の蒸散を防ぎましょう。

肌の保湿機能・バリア機能を損なわない、そして肌刺激の少ない正しい洗顔も必要です。

肌表面の保湿ケアは、表皮基底層や真皮層まで直接的に作用を及ぼすものではありませんが、肌表面の乾燥を防ぎ潤いを保つことは肌深部の状態にも好影響を与えます。



日常のお手入れとしては、肌表面の状態を整え、保湿力のある肌を維持するために、マッサージもおすすめです。

マッサージは、血行を促進することで適正な新陳代謝をサポートするためとされますが、これは保湿力のある肌を保つことにつながります。

また、古い角質が必要以上に肌表面に残存している場合は新陳代謝に悪影響を及ぼします。

パックやピーリング用化粧品などによる角質ケアで肌状態を整えることもおすすめです。

ただし、マッサージやピーリング等については、既に日焼けにより炎症等が生じている場合は、肌の状態を悪化させることがありますのでお控えください。



〜対策その4〜
日焼けによるシミ・ソバカスを防ぐために



シミ・ソバカスの正体が皮膚内部に残存したメラニン色素であるということは、もう多くの方がご存知だと思います。

メラニン色素は、表皮基底層のメラノサイトという色素細胞において常に生成されています。

人によってその生成量は違いますので、それぞれ肌の色も違います。

メラニン色素の生成自体は、紫外線の脅威から肌を守るための自己防衛機能でもありますので、私たちの体には必要不可欠な機能です。

生成されたメラニン色素は、いつまでも皮膚内部にとどまっているわけではありません。

通常は新陳代謝によって徐々に肌表面(角質層)へ押し上げられ、やがて古い細胞とともに剥がれ落ちていきます。

一定量のメラニン色素が生成されても、その分新陳代謝により排出されますので、肌の色というのはほぼ一定しています。



ただ、大量の紫外線を浴びたり、大量ではなくても継続的に紫外線を浴びると、メラニン色素の生成量が大きく増えてしまいます。

そうすると、大量のメラニン色素により肌の色は黒く変化しますが、紫外線の脅威が弱まり、肌の状態も落ち着いてくると、そのうちに元のメラニン生成量、つまり元の肌の色に戻ります。

しかし、大量に生成されたメラニン色素は、新陳代謝によって完全には排出されず、一部皮膚内部に残ってしまうことがあります。

この皮膚内部に残ってしまったメラニン色素がシミ・ソバカスとなってしまいます。

大量の紫外線は新陳代謝の機能そのものにも悪影響を与えますので、こういったシミ・ソバカスの発生リスクは高まります。

ですから、シミ・ソバカスを防ぐためには、まず紫外線を浴びないということですが、新陳代謝など肌機能が適正に保たれるよう肌状態を整えておくということも重要になります。



メラニン色素の生成過程は、紫外線を浴びたことによる一種の酸化でもあります。

ですから、紫外線を浴びても、酸化を抑制することができればメラニンの生成を抑えることができます。

また、酸化されて生成されたメラニン色素を還元すれば、メラニン色素を消すことも理論上は可能となってきます。

こういった酸化を防いだり、酸化したものを還元したりするものとして、有名なのがビタミンCです。

ただし、ビタミンCは成分として不安定なため、化粧品に配合した場合、肌への浸透ということではあまり期待できません。

そこで、VCG、VCIP、VCPMgなどのビタミンC誘導体を利用することとなります。

こういったビタミンC誘導体は、それぞれ特徴がありますが、いずれもビタミンCの作用を肌内部で発揮させようと開発された成分です。



メラニン色素は、表皮基底層のメラノサイトという色素細胞において、チロシナーゼと呼ばれる酵素の働きにより、チロシンというアミノ酸を原料として生成されます。

チロシナーゼが酸化をうながすことが原因です。

このチロシナーゼのはたらきを抑制し、メラニン色素の生成を阻害することができれば、シミ・ソバカスの発生を抑えることにつながります。

メラニン色素が生成される前に、その生成に深く関わるチロシナーゼのはたらきを弱めてしまおうという考え方す。

美白成分と言われるものの多くは、こういったチロシナーゼ抑制作用があるとされます。



美白対策の基本は
肌保湿と規則正しいスキンケア



ただ、メラニン色素の還元であったり、その生成を抑制したりということについては、実際の効果はどれほどのものかという疑問もあります。

それぞれの有用成分(美白成分)は、理論上、実験上、あるいは経験上、その効果が確認されているのですが・・・

実際に人の肌に使用した場合、本当に肌内部(さらには表皮基底層)まで浸透し、その成分効果を発揮できるのか?

また、その場合、浸透過程において何らかの肌トラブルは生じないのか?

仮に、表皮基底層までその成分が到達し、メラニン色素の生成を抑制する効果を発揮したとして、その場合、肌本来のメラニン色素生成機能の破壊(白斑の発生等)につながらないのか?

ですから、たとえ成分効果の強いものであっても、安全性を考えると、化粧品会社としては肌に対してマイルドにした状態でしか使わざる得ないということになります。

そうすると、肌に対して安全・安心ではあるものの、劇的な美白効果というのは実感しにくいということになります。

難しいところですが、効果の強さだけを求めて何らかの美白成分に頼り過ぎるというのは、あまりおすすめできないように思います。

シミ・ソバカス対策の基本は、あくまで保湿ケアをメインに肌を健やかに保つお手入れが大前提であると考えるべきです。

日常のスキンケアをきちんと行いながら、安全性の高い美白成分をプラスして取り入れることで、より美白効果も期待できるもののと思います。



以下の紫外線関連ブログ記事もご覧ください。

太陽光と紫外線の基礎知識

シミ・ソバカスだけではない!紫外線の肌への悪影響いろいろ

日焼け対策化粧品を選ぶ前に(SPFとPAについて)


初投稿:2007/05/24