シミを消したいという方からのお問合せはたいへん多いのですが、化粧品や医薬部外品でシミを短期間で消し去るというのは現実的には難しいところです。

やはり、まずはシミができないような努力をすることが必要ですし、出来たしまったシミについては美白化粧品だけに頼るのではなく、地道なスキンケアを行っていくことも大切です。

これまでも、美白対策については、このブログにおいて何度か書いてきましたが、再度、シミ・ソバカスを防ぐために、どのように考え、どのように対策を講じていくかをまとめてみました。参考にしていただければ幸いです。


メラニン色素とシミの発生について


私たちの肌の色は皮膚表面(表皮)の下層部にある基底層というところで作られるメラニン色素の量の多少で決まります。

顔のシミ・ソバカスというのは、メラニン色素が回りの組織に比べて少し多いために、そこだけが濃く見える部分のことです。

シミ・ソバカスは、多くの場合は紫外線が関与しているというのは間違いないところですが、ホルモンが関与していることも多く、原因についてはまだ不明な部分もあるようです。



ただ、原因は別として、シミ・ソバカスができるのは、表皮基底層(皮膚表面から0.2ミリほどの部分)にあるメラノサイトという色素細胞がメラニン色素の生成を活発に行うようになり、そのメラニン色素がそのまま残存したり、表皮基底層の下の真皮層に落ち込んだりするためです。

このメラノサイトという色素細胞は普段でもメラニン色素を常に生成していて、その生成量は人種や遺伝によって決まっていますので、それが私たちの肌の色となっているわけです。

通常はメラニン色素が次々に生成されても、表皮新陳代謝によって次々と排出されていきますので、肌色は一定しています。

しかし、何らかの原因によって(多くの場合は紫外線の刺激)、メラノサイトが通常以上に活発にメラニン色素を生成してしまい、そのメラニン色素が排出されずに皮膚内部に残ってしまい、それがシミという形となって肌表面に色の違う部分が現れます。



紫外線の影響によりメラノサイトでのメラニン色素の生成が活発化するのは、メラニン色素をたくさん生成することにより有害な紫外線が皮膚内部へ浸透するのを(まるでカーテンのように)防ごうしているためであり、とても重要な機能でもあります。

なお、シミ・ソバカスが濃いか薄いかは、皮膚の中のどの部位にメラニン色素が存在するかによって違ってきます。

表皮の浅い部分では薄茶 色に、比較的深いところでは茶色に、そして真皮にまで落ち込むと、くすんだ赤褐色に見えます。

メラニン色素が真皮層にまで落ち込むと色が抜けるのは難しく、生まれつきのあざは真皮層に出来た色素斑ですから自然に改善されることはまずありません。


シミの原因と対策について


メラニン色素が増える理由は、「ホルモンの分泌という内的なもの」と「紫外線を浴びることによってその影響を防御しようとする生理的な現象」、また「炎症や強い摩擦によって皮膚組織の一部が壊れるという外的な要因」があります。

女性ホルモンの関係で女性の20歳〜40 歳はしみの出来やすい年齢です。

しみの外的要因のほとんどは紫外線ですが、その他にも薬物によるカブレ、過度なマッサージやハードな洗顔などによる肌の損傷、香料と日光の作用による光線過敏症などによってもシミが発生したりします。

つまり何らかの外的な刺激があると、メラニン色素の生成が活発化されやすく、また、なかなか沈静化されにくい。さらに、肌機能の低下により、生成されたメラニン色素が残存してしまうということになるわけです。

このようなことをふまえてシミ対策を考えていくと、以下のことを考えないといけません。



1.紫外線を防ぐ(メラニン色素は紫外線への防御反応として生成されます)

2.メラノサイトでのメラニン色素の生成を抑える(チロシナーゼという酵素がメラニン生成に関与しますのでそのはたらきを抑えることがポイントとなります)

3.生成されたメラニン色素を還元する(メラニン生成は酸化の一種です)

4.生成されたメラニン色素を排出する(新陳代謝で肌細胞の生まれ変わりを促進する)

5.肌への刺激を極力少なくし健やかな肌状態を保つ



何かを肌に塗れば、たちどころにシミが消えるというものがあればよいのですが、残念ながら化粧品や医薬部外品にはそういうものはありませんし、薬事法上も許されておりません。

やはり、上記の5項目をふまえた地道なスキンケアが必要となってきます。


1.紫外線を防ぐ


まず、第1の紫外線を防ぐという努力は絶対的に必要です。

日傘や帽子などでは、紫外線を完全に防ぐことはできませんが、利用しないよりは利用した方が紫外線防止効果は断然高いので、外出時はこういったものも必要です。

また、UV対策用の化粧品も様々なものが出ていますので、外出時はこういった製品の使用も必要です。

ただ、SPF値の高さにはあまりこだわらなくてよいかと思います。通常の生活シーンでは、SPFが20以上くらいであれば十分なので、その中で刺激が少なく使用感の優れたものが良いと思います。


2.メラニンの生成を抑える


第2のメラニン色素の生成を抑えるという作用については、いろいろな美白成分があります。

アルブチン、コウジ酸などが有名です。植物成分ではソウハクヒエキス(桑抽出)がこの作用が強いといわれています。

最近は、エラグ酸やトラネキサム酸も注目されていますが、日本で化粧品等に使用できるレベルでは、どれも劇的な効果というわけにはいきませんので、こういった美白成分さえ使えばシミやソバカスが消えるなどと過度な期待はできません。



なお、メラニン色素の生成を抑えるという点では、ハイドロキノンの効果はかなり優れていると言われています。

もともと、皮膚科でのシミ治療薬に使われていて、日本では化粧品への配合は禁止されていたのですが、規制緩和によって化粧品にも使用できるようになりました。

ただし、成分の安定性が悪く、刺激も強いので化粧品には使用しづらく、まだメジャーな成分にはなっていません。

刺激を抑えようとして、配合濃度を低くすると(2%以下)、安全性は高まるものの、成分効果も低くなり、難しいところです。

ちなみに、皮膚科でシミ治療などで処方するハイドロキノンは4%〜10%ほどです。ただ、成分が劣化しやすいので、少量ずつしかもらえず、保管にも気を使ったりします。



モルトリーチェで取り扱っている「ホワイト・セラムHQ」は、このハイドロキノンを配合したクリームですが、ハイドロキノンをナノカプセル化していますので、成分の安定性と皮膚内部への浸透性が高まっています。

ハイドロキノン濃度は、1.9%と低く抑え、肌への安全性にも気をつかっています。

ナノカプセル化で浸透性が高くなった分、ハイドロキノンの作用効率も高くなり、ハイドロキノン濃度1.9%でも、医師処方の濃度4%のハイドロキノンクリームと同等の成分効果が確認されています。


3.メラニンの還元


第3のメラニン色素の還元ということでは、ビタミンCが有名です。

ただし、実際には、化粧品としての使用となると、ビタミンC自体は成分として安定性が悪く、皮膚内部でその効果を発揮することはほとんど期待できないと言われます。

そういったことから、各種のビタミンC誘導体というものが開発されています。ビタミンC誘導体は、ビタミンCを化学的に処理し、成分の安定性を高め、皮膚内部への浸透性を高めたものです。

一般的には、このビタミンC誘導体はひとくくりにされることが多いのですが、ビタミンC誘導体は様々な種類があります。

なかには、皮膚内部へは浸透しても、そこからスムーズにビタミンCへ変換されにくいものもあり、これだと作用は弱くなったりします。


4.メラニンの排出


第4のメラニン色素の排出ということでは、肌の新陳代謝がスムーズに行なわれるようにしないといけません。

直接的にはマッサージなどで血行を促進し肌細胞を活性化したり、ピーリングなどで角質をケアすることで新陳代謝が適正化されるような肌環境を作ることも重要です。

また、化粧品には肌細胞の活性化を促進するような各種美容成分が配合されたりしていて、こういった成分も新陳代謝のサポートという点で期待できるのではないかと思います。

また、新陳代謝が適正に行なわれる状態というのは、肌が健やかな状態であり、そのためには最も大切なのは肌の潤いです。

美白対策と保湿対策を別々に考える方も多いのですが、肌の保湿対策をきちんとやることがシミ対策においても基本条件となります。


5.肌を健やかに保つ


第5の肌への刺激を極力少なくし健やかな肌状態を保つということも、美白対策には重要です。

そのためには、クレンジングや洗顔においても、ただ単に汚れを落とせれば良いと考えるのではなく、肌に負担を与えずにやさしく行うようにしないといけません。

作用の強い洗浄剤の使用や肌をこするような洗顔方法では、それが肌への刺激となってシミの原因となることもありますし、肌の保湿機能やバリア機能を低下させてしまい、新陳代謝にも乱れを生じさせたりします。

結果的にシミ・ソバカスの発生、あるいは改善されないということになってしまいます。



シミ・ソバカス対策というと、効果のありそうな美白化粧品を求めがちではありますが、美白化粧品だけに頼るのではなく、まずは紫外線にあたらないようにするということが重要です。

そして、日頃から肌を健やかに保つよう、正しい洗顔・肌の保湿・肌細胞の活性化など念頭においた適切なスキンケアを行うことが大切です。


ホルモンが関与するシミについて


少し厄介なのが肝斑といわれるしみ。これは女性ホルモンの分泌過剰によって起こります。

特に妊娠を契機に妊産婦や経産婦に多く見られる女性特有の症状で、目の周りや鼻の下によく見られます。肝斑は紫外線によって濃くなったり、又広がったりしますから、極力日光を避けることです。

女性ホルモンの分泌過剰によって起こるものだけに、加齢とともにホルモンの分泌が減少してくると次第に肝斑も消えていくこともありますが、特別な内服薬以外に治療法はありません。

美白化粧品に頼るだけでなく、外出の際はSPF20以上のファンデーションを使用するようにして、できるだけ日光紫外線を避けることが大切です。


高年齢でのしみについて


また、高年齢になると、目の周りや頬、手の甲にくっきりとした斑点がよく見られるようになりますが、これは老人性色素斑です。

原因は 老化によってメラニンを作る細胞(メラノサイト)の機能がバランスを崩し、メラニンの生成を促進するためです。

これも予防法としては、若いうちからできるだけ、紫外線に肌をさらさないように気をつけることです。

外に出るときは日傘をさしたり、帽子をかぶったり、ファンデーションを塗るなど、極力紫外線にあたらないようにすること。

また、美白用化粧品だけでに頼るのではなく、常に保湿対策をはじめとしてスキンケアに気を配り、肌機能の衰えを防ぐことが大切です。

なお、無理に肌を焼くことなども、しみ・そばかす、そして肌老化を防ぐためにも避けるべきです。