コラーゲン配合の化粧品や健康食品の宣伝では、よくこんなトークが使われます。


1.若々しい肌には、真皮層にコラーゲンがたっぷり存在し、肌のハリや弾力性を支えています。

2.しかし、年齢を重ねるにつれ、コラーゲンは減少します。

3.その結果、肌にはシワやタルミなどの老化現象が現れます。

4.弊社の商品(化粧品や健康食品)には、コラーゲンがたっぷり含まれています。

5.美容のために弊社の商品をおすすめします。


上記のうち、1〜3については、確かにその通りです。

4についても、その通りなんでしょう・・・

5については、宣伝だから、こんなこと言うのは当たり前ですし・・・

この1〜5までのトークの中には、嘘は無いわけです。

嘘は無いのですが・・・

こういったトークというのは、断片的な事実を提供することで、お客様が勝手に誤解してしまうように仕向けられた、少々ずるいトークのようにも思います。

どういうことかというと、1〜3までのトークから、真皮層のコラーゲン不足がシワやタルミの原因なんだと説明したうえで、その次にうちの商品にはコラーゲンがたっぷり入っていますと言えば・・・

誰もが、その商品でコラーゲンを肌に補給すればシワやタルミが防げるのかと思ってしまいます。

しかし、コラーゲンは巨大な分子量の成分ですから、角質層を通り抜け、表皮層を突き進み、真皮層まで到達することは考えられません。

法的にもコラーゲンが真皮層まで届きシワやタルミの悩みを解消するとは言えません。

言えないからこそ、お客様が勝手にコラーゲンがシワやタルミに効くと思い込んでしまうように仕向けているわけです。

化粧品や健康食品の宣伝というのは、こういう類の伝トークは結構多いように思います。

ただ、嘘は言っていないということで、まだましなのかもしれません。

中には、とにかく売りたいという気持ちが強くて、「この商品で真皮層のコラーゲン不足を解決する!」と言い切ってしまっているケースもありますから・・・



もちろん、コラーゲン入り化粧品に美肌効果が全く無いということではありません。

コラーゲンは高い保湿性を持ち、肌との馴染みにも優れています。

化粧品に配合することで、肌の水分を保ち、しっとり・つやつや・滑らかな肌に導く効果は大いに期待できます。

ただ、真皮層のコラーゲンの減少を食い止めたり、不足分のコラーゲンを補給したりということは、コラーゲン入り化粧品では期待できません。

ということは、コラーゲン入り化粧品はシワやタルミに直接的な効果は無いわけです。

ただ、肌表面あるいは角質層や表皮層の状態と真皮層の状態は密接に関係しています。

肌表面の水分を維持し健やかに保つことは、真皮層にも良い影響を与え、シワやタルミの防止につながることになります。

ちなみに、モルトリーチェ化粧品には、全商品にマリンコラーゲン(魚抽出)を配合していますが、その主な配合目的は肌表面の保湿ということです。



それから、食品としてコラーゲンを摂取した場合も同様で、コラーゲンを食べたからといって、真皮層にコラーゲンを直接補給することはできません。

コラーゲンを食べても、それは消化吸収の段階でペプチドやアミノ酸に分解されますので、これらが真皮層部分に集合して再度合体ということはありえないわけです。

それに、真皮層にはコラーゲンという線維成分の他にエラスチンという別の線維成分もあって、この2種類の線維成分で立体的な網状構造を形成し、さらにヒアルロン酸などの保湿成分がその間に存在し、皮膚の弾力性を支えています。

つまり、真皮層にとってコラーゲンだけが必要成分というわけでもありませんし、単純にある種の成分だけを補給したからといって、真皮層の複雑な層構造が形成されるわけでもありません。

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初投稿:2010/07/01