紫外線が気になる季節となりました。

地上に降り注ぐ紫外線量は3月〜4月頃から多くなり、8月頃にはピークを迎えます。

ただ、紫外線の中でもUVAは一年を通してかなりの量が降り注いでいます。

ですから、本当のところは、紫外線対策は一年中必要と言えるのですが、これからの季節は特に注意が必要です。

ここでは、太陽光と紫外線の基礎知識について取り上げてみたいと思います。



太陽光と紫外線についての基礎知識


昔は、日焼けした小麦色の肌=健康的というイメージがあったものですが、今では、日焼け=紫外線を浴び続けることは、肌健康にとっては百害あって一利無しとまで言われるようになりました。

一口に太陽光といっても、実際には様々な波長の光が集まっています。

目に見える光(可視光線)もあれば、目に見えない光(紫外線・赤外線)もあります。

地表に届く太陽光線の割合は赤外線が約42%、可視光線が約52%、紫外線は6%ほどです。





ただ、太陽光線は波長が短いほど強いエネルギーをもちますので、人体に与える影響が大きいのは紫外線です。

紫外線は、波長の長さによって、さらに、UVA・UVB・UVCに分けられます。

太陽から地表に届く紫外線のほとんど(90%以上)はUVAです。

UVBは地表に届く割合は少ないのですが、人間の皮膚に与える影響はUVAよりも大きいので、注意が必要です。

UVCはオゾン層に吸収され、地表にはほとんど届きません。

私達が注意しないといけないのは、UVAとUVBということになります。



UVAについて


人体に及ぼす悪影響はUVBの100分の1〜1000分の1と言われますが、UVBより格段に多くの量が地表に届きます。

窓ガラスを透過しますので、室内や車内にいても届いてしまいます。

また、曇りの日でも量はそれほど少なくなりません。

冬場であっても、夏場ピーク時の半分ほどにしか減少しません。

UVAによる日焼けは、サンバーン(炎症)が起きずに黒化していきます。

炎症が起きないというと、身体にやさしいと考える人もいますが、UVAは真皮層まで達し、肌の弾力性を支えているコラーゲン線維を破壊します。

その結果、肌は弾力性を失い、タルミやシワの原因となります。

※サンケア化粧品に表示されている「PA」はUVA防止効果の程度を「記号」で表したもので、日本化粧品工業連合会がその測定法の基準を定めました。

PAは長期的な悪影響を数値にすることが難しいため、SPFのように数値化されていません。



UVBについて


以前から人体にとって危険な紫外線と言われていますが、近年のオゾン層の破壊により、その量は増加傾向にあります。

窓ガラスにほとんど吸収されますので、室内には入りにくいと言えます。

曇りの日は量が3分の1に減少します。

冬場は夏場の1/5ほどに減少します。

肌にあたると、サンバーン(炎症)を起こし、ひどい場合は水ぶくれを起こすことがあります。

サンバーンの後、サンタン(皮膚の黒化)と肌荒れが起こります。

UVBは表皮の最下層である基底層にまで達します。

波長の長いUVBは、更に奥の真皮層にまで達します。

基底層では表皮細胞が生成されますので(表皮新陳代謝)、UVBによって細胞が損傷を受けると、様々な肌のトラブルや老化現象が発生したり進行してしまいます。

皮膚の免疫力も抑えてしまいますので、ウィルスやカビなどによる感染症にもかかりやすくなってしまいます。

さらには皮膚ガンの原因となることがあります。

※サンケア化粧品に表示されている「SPF」はUVB防止効果の程度を「数値」で表したもので、日本化粧品工業連合会がその測定方法の基準を定めました。

SPFは2から50までの数値で表されますが、表示する数値には上限があり、「50+」が最高です。



UVCについて


オゾン層によりほぼ吸収されてしまうため、地上にはほとんど到達しません。

ただし、最も危険で殺菌光線と呼ばれており、免疫力の低下や皮膚ガン、白内障を引き起こします。



以下の紫外線関連ブログ記事もご覧ください。

[関連ブログ記事]日焼け対策化粧品を選ぶ前に(SPFとPAについて)

[関連ブログ記事]シミ・ソバカスだけではない!紫外線の肌への悪影響いろいろ

[関連ブログ記事]肌の大敵紫外線からお肌を守るために・・・化粧品でできることは?



初投稿:2007/05/21