「無香料」表示の化粧品をよく見かけます。

実際そういった化粧品を好まれる方も多いようです。

これは「香料=肌への刺激物」という考え方が広く浸透しているためかもしれませんが・・・

本当に香料は肌にとって危険物なのでしょうか?

化粧品製造技術が進展するなか、単純に「香料=肌への刺激物」というのは少々古い考え方かもしれません。

今回のブログ記事では化粧品に配合される「香料」の安全性や効用について取り上げてみたいと思います。



かつて香料による肌刺激が心配されたことも


「無香料」表示の化粧品が好まれるのは、「香料は肌への刺激物であり皮膚トラブルの原因となる成分なのでは・・・?」と、心配している人がそれだけ多いということでしょう。

かつては、化粧品による皮膚トラブルが多かった時代もありました。

それは数々の化粧品素材や配合成分が合成されて使われてきた事によります。

また、何が原因でトラブルを起こすのかが良く分からなかった時代でもありました。

そういった中、ある種の香料成分が界面活性剤と一緒になって皮膚に浸透し、紫外線の作用で皮膚障害を発生させるケースが多かったのも事実です。



時代とともに判明してきた皮膚トラブルの原因物質


しかし最近では、安全な成分は何か、刺激のある成分は何か、というのがかなり分かってきました。

浸透性の強い界面活性剤についても良くわかっていますし、光によってアレルギーをおこす香料成分は何かという事も明確になってきました。

一般的に化粧品に使われていた香料は、調合香料といって数十種類の単品香料の混合物です。

数十年前、大きな社会問題にまでなった化粧品による皮膚トラブルは、ある種の単品香料が原因になっていることがわかりました。

その結果、「無香料」化粧品というものが登場してきたわけです。

しかし現在では、どの単品香料に刺激が有るのか、どの単品香料に刺激が無いのか、という事が実証されています。

また、化学構造からも推察されるようになってきています。



技術の進歩で化粧品の香料は極微量となった


以前は、原料臭を抑えるために香料を配合していたという一面もありましたが、化粧品素材の精製技術の進歩によって、素材そのものの原料臭も少なくなってきました。

その結果、原料臭を消すために配合する香料は極微量でよくなりました。

香料がアレルゲンとなってアレルギーを引き起こすなどと心配する方もいますが、現在ではアレルギーを引き起こすほど多量な香料を配合している化粧品はほとんど無いでしょう。



皮膚トラブルの原因になりにくい〜香料の新しい考え方


こういった、極微量の香料が皮膚の深部まで浸透していくことはあまり考えられません。

皮膚のバリア機能によって皮膚内部への浸透が妨げられるからです。

また、分析技術や精製技術の進歩もあり、現在化粧品に配合されている香料は、刺激の原因となるものが取り除かれた、たいへん純度の高い成分となっています。

よって、皮膚組織に抗体を作りません。つまり、抗原(アレルゲン)としてアレルギーを引き起こす原因物質とはなりにくいのです。

過去に大きな皮膚トラブル事件の原因となったために(もちろん全ての香料ではなくある種の香料なのですが)、何となくマイナスイメージがつきまとう香料ですが、現在では香料による皮膚への刺激という問題はかなりの部分でクリアされていると言えます。

それでも、「無香料」表示化粧品の人気があるのは、消費者の皆様へ正確な情報が伝わらず、「無香料=安心」というイメージだけが浸透しているためでしょう。

むしろ、香料の持つプラス部分を活用し、肌健康の維持につなげるというのが新しい考え方ではないでしょうか。



心と身体〜さらには肌健康につながる香りの効果


香りには精神的な安らぎを与える効果があります。

昨今、アロマテラピー(芳香治療)の考え方が注目されていますが、香りは嗅神経から大脳へと伝わり、最終的には脳下垂体へと伝達されます。

自律神経・内分泌・免疫機能などを司る脳下垂体では、伝達された香りに対応して様々な生理活性物質を分泌し、我々の心や身体を健やかに保とうとするのです(恒常性の維持)。

ただ単に「危険だから無香料」というのは、せっかくの香りの効果を無駄にしているように思います。

安全性の高い香料を決して強すぎる香りにならないように、ほのかな香りとして使用し、心と身体の健康をサポートするのも化粧品ならではの重要な役目ではないでしょうか。



香料の使用にはこんなプラス効果も


また、香料の中には、刺激物となるものばかりでなく、皮膚の炎症を抑えるなど、肌を健やかに保つためにプラスに作用するものもあります。

さらに、香料には、殺菌・防腐・消毒などの作用がありますので、香り付けという目的以外に、保存剤としての機能も果たしています。

もし、香料を使わなかったら、余分に殺菌剤や防腐剤などを使わなければならないケースだってあるのです。



3種の植物精油を使用したモルトリーチェ


モルトリーチェでは、「無香料」表示の化粧品が好まれているという現状は認識しつつも、香料の安全性が確認できるのであれば、香料のプラス部分を化粧品に活用すべきであると考えます。

その結果、モルトリーチェでは「調合香料」は使用せずに、より安全性の高い「植物精油」を使用することによって、仄かな癒しの香りをつくり出しました。

アロマテラピーの考え方を導入することによって、心身の健康維持をサポートするのが目的です。

モルトリーチェで使用している植物精油は、ラベンダーオイル、ローズマリーオイル、レモンセントティートリーオイルの3種類です。

いずれも古くから様々なシーンで使用され、その安全性や有用性が認められたものばかりです。

基礎化粧品全品にこの3種類の植物精油を配合しています。



化粧品の香料ミニ知識


香料には、「植物性香料」「動物性香料」といった「天然香料」と、人工的に合成技術をもってつくり出された「合成香料」があります。

そして、天然香料と合成香料をミックスしたものが「調合香料」です。



「植物性香料」は植物を原料として得られる芳香成分で植物精油といいます。代表的なものとして、ローズ油、ジャスミン油、ペパーミント油、アニス油、ラベンダー油、ベルガモット油・・・など、その種類は120種類以上と多種多様です。



「動物性香料」は、動物の分泌腺などから採集したもので、ジャコウ、レイビョウコウ、カイリコウ、リュウゼンコウの4種があります。



「合成香料」は、いわば高価な天然香料の代用品ですが、その種類は300種類以上あり、品質的には高いものもあります。合成香料の代表的なものとして、オイゲノール、ゲラニオール、ネロール、シトロネラールなど。



「調合香料」は、天然香料・合成香料を目的に応じて一定の比率で調合したものです。通常、天然香料や合成香料を単独でそのまま使用することは少なく、シンプルな香りでも10〜30種、複雑で洗練された香りで50〜100種、多いときには200種類以上の香料を使用します。



[関連ブログ記事]モルトリーチェの香りについての考え方



モルトリーチェスキンケア化粧品の詳細については、以下のモルトリーチェ公式サイト内のページでご案内しておりますので、是非ご覧ください。




初投稿:2006/07/04