無添加ということば、よく耳にしますね。

無添加と言っても何も入っていない(添加されていない)ということではなく「何らかのものが入っていない」ということなのですが、実は明確な定義や法律上の定めというものはありません。

どうも「無添加」という言葉だけが一人歩きしているような気がしてなりません。

今回は化粧品における無添加についてお話します。



元々は旧表示指定成分無添加化粧品


無添加化粧品というと、何か悪い成分を添加していない(配合していない)化粧品としてイメージされている方が多いようですが、冒頭で述べましたように定義は曖昧です。

ただ、この無添加化粧品ということばが出はじめた頃は、割と明確な意味合いのようなものが業界では共有されていました。

どういうことかというと、以前は化粧品のパッケージ等に必ず記載しないといけない「表示指定成分」というのがあり、この表示指定成分を配合していないものを無添加化粧品と呼んだりしていました。

表示指定成分は、旧厚生省によって「化粧品に使用する場合は必ず表示しなければならない成分」として香料を含め103種類の成分が指定されていました。

ですから、当時の無添加化粧品のことを正確に言えば「表示指定成分無添加化粧品」となります。

さらに、2001年から化粧品の全成分表示制度がスタートしましたので、もっと正確に言えば「旧表示指定成分無添加化粧品」ということになります。



表示指定成分ってどういうこと?


これらの103種類の表示指定成分は、アレルギー等を引き起こす可能性がある成分として、何十年も前に当時の厚生省が表示の義務を求めたものです。

しかし、現在では様々な研究や技術が進み、化粧品に使用する成分は何千種類もあるといわれます。

103種類の表示指定成分の中には、強い毒性や発ガン性を持つ成分から、アレルギーが起こる可能性は極めて低い成分や仮にアレルギーが起きたとしても軽い症状の成分まで様々です。

また、103種類の表示指定成分以外の成分にも、アレルギー等何らかのトラブルを引き起こす可能性があるものもあります。

ただし、仮にアレルギーを引き起こす可能性がこれら103種類の表示指定成分と同等あるいはそれ以上の成分を使用したとしても、当時の制度では成分表示義務は無かったということになります。



例えばこんなことが「無添加=安全」は誤解?


例えば、フェノキシエタノールという成分は、旧表示指成分であるバラペンと同じように防腐剤として化粧品に使われます。

ただ、このフェノキシエタノールは上記103種類の表示指定成分には含まれていなかったので、いわゆる無添加という化粧品の中には結構使用されていました。

こういったこともありますので、無添加化粧品=安全と短絡的に考えてしまうことには少し違和感を覚えていました。

無添加ということばは、化粧品会社側の思惑もあり、無添加とした方がイメージ的に良いし、販売する際のアピールポイントになるために使われたと思われます。

当時の無添加化粧品の中にも、旧表示指定成分は使っていないものの、アレルギーの可能性のある成分や防腐剤などが使われることもあり得たわけです。

無添加を標榜すること自体、安全性において大きな意味合いがあるのかというと、それは違うのでは
ないかと思ったりしていました。



現在の成分表示方法について


このようなことをふまえ、2001年4月薬事法が改正され、化粧品の配合成分を全成分表示することが義務付けられました。

全成分表示とは、化粧品に配合されるすべての成分の表示(パッケージ等への記載)をすることです。

また、全成分の表示は、薬事法のルールに従い、基本的には配合量の多い順に並べなければなりません。

ただし、配合量が1%以下の成分は順不同、着色剤は最後にまとめて表示されます。

全成分を表示することにより、企業がその商品に責任を負うこととなり、企業の責任が明確化されます。

また、全成分の表示によって、お客様が商品を選択する際の指標や使用する際の参考として役立つことにもなります。

こうなると、無添加化粧品についても正しく言えば「改正前薬事法において表示を義務付けられていた103種類の成分を添加していない化粧品」ということになります。

つまり、先に述べたように「旧表示指定成分無添加化粧品」ということになるわけです。



現在の無添加化粧品とは


それでは、現在の無添加化粧品とはどういうものなのでしょう。

化粧品における全成分表示制度が導入されてからかなり経ちますので、旧表示指定成分ということばもあまり聞かなくなりました。

無添加ということばは、食品でも化粧品でもよく使われますが、無添加というのは何らかの添加物が入っていないというだけで、今でも法律上の決まりや明確な表示ルールというのはありません。

ただ、化粧品の場合、化粧品公正取引協議会や厚生労働省から出された通達や見解を見ると、無添加ということばを使う場合、以下の要件が求められています。

まず、無添加ということで何らかの成分が添加されていないのであれば、その添加されていない成分が何かということを明記すること。

また、無添加という表示を利用して商品の安全性や有効性を誇大に表現しないようにすること。

さらに、無添加を標榜し、それが商品の安全性を保証するかのごとく誤解を与えるような表現をしないこと。

つまり、商品のパッケージやパンフレットなどに添加していない成分をはっきり示した上で、キャッチコピー等宣伝広告としてではなく、安全性について保証的な表現にならない場合のみ、無添加と表示してよいことになっています。

つまり、無添加だから安全・安心というわけではないということです。

もちろん、無添加化粧品の中にも安全・安心な商品はあるでしょう。

ただ、無添加=安全・安心と短絡的に考えるべきではないということです。



モルトリーチェスキンケア化粧品の詳細については、以下のモルトリーチェ公式サイト内のページでご案内しておりますので、是非ご覧ください。




初投稿:2006/07/22