本格的な冬到来、寒さも一段と厳しくなってきました。

風邪などひかないように体調管理にも注意が必要です。

風邪の予防と言えば、古くから「乾布摩擦」が知られています。

乾布摩擦とは、タオルなど乾いた布で皮膚をこすり摩擦することで体の抵抗力を高め、風邪などの病気にかかりにくくしようという健康法です。

乾布摩擦することで、皮膚の体温調節機能が強められ、皮膚の血行がよくなります。

その結果、体の代謝機能が活発となり、免疫効果を高められ、病気にかかりにくい体になるということです。

また、乾布摩擦をする際、上半身裸になり皮膚を外気にさらしますので、皮膚の寒さへの抵抗力も強くなると言われています。

このように健康維持にプラスの効果があって、それでいて、特殊な道具も費用も要らないということであれば、多くの人に推奨したいところですが・・・

実は今回のブログ記事では、この乾布摩擦のマイナス面についてお話したいと思います。



乾布摩擦が肌に目に見えない傷を与えることも?


確かに、乾布摩擦を行なうことによって、血行が良くなりますので、それが体に良い効果を与えることはあるのだと思います。

しかし、乾布摩擦という皮膚を強くこする行為は皮膚に対してはかなり強い刺激です。

肌を傷つけてしまう可能性もありますので心配な面もあります。

ただ、ここで言う「肌を傷つける」というのは、出血したり、赤くはれ上がったり、そういった目に見える傷や痛いと感じる傷のことを指しているわけではありません。

目に見える傷や痛いと感じる傷というのは、傷ついたことがすぐに分かります。

ここで言う傷というのは、日常の生活の中では気づきにくい、肉眼では見えにくい肌(特に角質層)の損傷のことです。



基本的な肌の構造と機能について


皮膚は、体の表面をおおっている器官であり、外界にさらされながら私達のからだを様々な環境の変化から守ってくれています。

皮膚は、体温調節・知覚・分泌・排泄・防御(バリア機能)・保水・保護など、さまざまな役割を担っています。

なかでも水分保持機能とバリア機能はたいへん重要なはたらきです。

そして、この水分保持機能とバリア機能(有害成分の皮膚内部の侵入を防ぐ機能)が保たれるためには、皮膚の最も外側の角質層が健全な状態であることが必須条件です。

角質層は、厚さ0.02ミリほどの中に角質細胞が20層ほど重なり合って層構造を形成しています。

角質細胞がレンガのように並び、その細胞と細胞の間にセメント剤のように細胞間脂質やNMF(天然保湿成分)が存在することによって、水分を保持し、外界からの異物の侵入を防いでいます。



乾布摩擦が肌を傷つけるとはどういうこと?


乾布摩擦によって皮膚を強くこすることで、このわずか0.02ミリの角質層はまたたく間に損傷を受けてしまいます。

角質層で重要なはたらきをする細胞間脂質やNMFは取り除かれ、層構造は崩れてしまい、角質層の保水機能やバリア機能は大きく低下します。

そうなると、皮膚は乾燥し滑らかさを失います。

また、有害物質の皮膚内部への侵入を許すこととなり、皮膚に炎症が起きやすくなってしまいます。

炎症が起きると、炎症のあとにはメラニン色素が増えやすくなりますので、皮膚の色が黒ずんだりすることもあります。

入浴時に、ヘチマやブラシあるいはナイロンタオルで体をゴシゴシ洗うのも同様におすすめできません。

角質層が損傷を受け、皮膚が乾燥しカサつきやカユミが発生しやすくなります。



健やかな肌を保つためには強くこすらない!


乾布摩擦にしろ、入浴時の洗浄にしろ、肌を健やかに保つためには、皮膚を強くこするという行為は避けなければなりません。

ちなみに、健康的な皮膚であれば、角質層における不要な古い角質細胞は、日々少しずつ表面から垢として剥がれ落ちていきます。

ゴシゴシ強くこする必要はありません。

強くこすることで、まだ皮膚表面に残存しておくべき角質細胞まで取り除いてしまうことになります。

心配なのは、角質層に損傷を与え、肌の保水機能やバリア機能を低下させてしまうことです。

入浴時の洗浄については、手あるいはやわらかいタオルなどで、洗浄剤を泡立てて、決して強くこすらずに優しく洗うのが良いでしょう。

これで、取り除くべき汚れや古い皮脂、さらには不要な角質などは十分に洗い流すことができます。

このように考えると、血行改善などプラス面もありそうな乾布摩擦でありますが、皮膚をゴシゴシこすってしまう行為そのものは、皮膚健康という面ではあまりおすすめできないかもしれません。


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初投稿:2006/12/08