先日、車の運転中に何気なくラジオの通販番組を聴いていると、久しぶりにマイナスイオンという言葉が流れてきました。

空気の乾燥が気になる季節ということで、某メーカーの加湿器の売り込みをやってたんですが、その製品の特長というか付加価値として、マイナスイオンを大量に発生させるということをアピールしていました。

マイナスイオンという言葉、最近はあまり聞かなくなり、ブームも過ぎ去ったと思っていたので、今さらマイナスイオンかって感じで、少しびっくりしました。

それにしても、あのマイナスイオンブームは何だったんでしょうね。

そもそも、マイナスイオンという言葉自体は科学用語でもなんでもない和製英語のようなものですので、マイナスイオンについての正式な定義もありません。

もちろん、その効能・効果について科学的に実証されたものでもなかったわけですから、マイナスイオンブームの頃でも、多くの科学者は否定的であったり、あまり相手にしていなかったのではないでしょうか。

しかし、あのブームの頃というのは、あらゆる分野でマイナスイオンを発生するとされる商品が販売されていました。

一流のメーカーだって、こぞってマイナスイオン関連商品を開発して販売していましたよね。

ただ不思議なのは、一流メーカーの場合、社内に優秀な研究者や技術者がいるわけですから、「マイナスイオンの効果は懐疑的」ってことは当時から十分に認識していたはずなんですよね。

まあ、これは、マイナスイオンに効果が有る無しにかかわらず、有害というわけでもないようだし、世の中マイナスイオンブームだし、商品に付加価値として加えられるし、売上に結ぶつのであれば出しちゃおうということだったんだろうと思います。

ブーム当時は、マイナスイオン関連商品に対する消費者の需要が高かったわけですから、メーカーはその需要にこたえるべく、商品を供給したということなのでしょう。



実は、化粧品の分野でも、こういったことに似たような事例ってあるんですね。

例えば、自然原料が安全で化学原料が危険というイメージや間違った情報から、鉱物油・界面活性剤・防腐剤・香料・・・などは危険で悪い物質だと決めつけられている風潮があるようです。

「自然原料=善」「化学原料=悪」という短絡的であまり確固たる根拠もない考え方に基づいて、化学原料の危険性を必要以上に訴えたりすることもありますし・・・

自然原料の有効性をあまりに神秘的かつオーバーにアピールしていることもあるように思います。

中には化粧品の本来の目的(肌を健やかに保つことなど)よりも自然であることそのものが目的のような製品もあったりします。

実際には、自然原料であっても化学原料であっても、刺激が強く有害なものもあれば、肌に安全で有用なものもあります。



また、自然原料なのか化学原料なのかという区別も曖昧な部分があります。

ほとんどの自然原料は、純粋に自然のままの状態だと、その中には刺激物や変質しやすい成分が存在しますので、化粧品製造の場合、そのままは使えません。

何らかの人工的な処置や化学的な処置をほどこして化粧品原料になります。

自然原料の良い部分だけを効率良く利用しようとすれば、こういった処置が必要になるわけす。

さらに言えば、化学原料といわれるものの由来物質である石油だって、よくよく考えると天然に存在する炭化水素であって自然原料と言えなくもないわけですから・・・

それから、よく石けんを合成洗剤とは全く別もので自然の洗浄剤のように思い違いをしている人がいますが、この石けんだって油と水酸化ナトリウムからつくった人類最初の合成界面活性剤です。



モルトリーチェ化粧品は「海と大地の恵みを活かし肌機能をサポートする」ということを目的とした化粧品であり、その原料はいわゆる天然由来というものが主体となっています。

ですから、自然原料を否定するものではありません。

ただ、モルトリーチェ化粧品は、自然原料の化粧品であることが目的ではなく、肌に有用な化粧品であるために、選択・採用された原料が自然由来のものであったということです。

要は、「自然原料=善」「化学原料=悪」という短絡的な考え方やイメージだけで、化粧品を選んでしまうと、本来の化粧品使用の目的から逸脱してしまう可能性があるということです。

モルトリーチェとしても、こういったブログやホームページでは、できるだけ客観的で公正な情報の提供を行ないながら、丁寧に商品を紹介していきたいと考えています。



例えば鉱物油については、モルトリーチェでは使用していませんが、それを否定したり、その危険性を煽ったりすることもしません。

鉱物油を使用した方が、安価で安全な製品をつくることができるという一面もあるわけですから・・・

界面活性剤についても、元の原料が自然というだけで天然の界面活性剤などと言ったりする例もあります。

モルトリーチェでもそういった界面活性剤を使用していますが、原料は天然由来であるものの、化学的処置をほどこしたわけだから、合成界面活性剤に分類されるという言い方をしています。

また、商品づくりにおいても、お客様や市場の受けが良さそうだからというより、肌にとってプラスかマイナスかということを判断基準として取り組んでいます。

お客様に信頼してもらうために、そして自分達が納得できるためにも、こういった取り組みを続けていきたいと考えています。


初投稿:2008/01/15