「化粧品によるかぶれについて」というブロク記事の中で、化粧品の使用中あるいは使用後に何らかの肌の異変が起きた場合、化粧品の使用は一旦中止してくださいと書きました。

今回はその件についてもう少し詳しくご説明したいと思います。



肌トラブル時は化粧品使用中止が基本的対処方法ですが・・・


化粧品を使用していて何らかの肌のトラブルや異変が起きた場合は、その原因が化粧品かどうかに関係なく、使用は一旦中止するというのが基本的な対処方法です。

そして、肌が元の状態に戻るまで、肌に対して刺激となるようなもの、あるいは行為を極力避けることが大切です。

肌トラブルの状態がひどい場合、あるいはなかなか元の状態に戻らない場合は皮膚科の医師に相談する必要があります。

メイクアップ類の使用もしばらく中止した方がよいでしょう。

ただ、使用をストップすると言っても、仕事上メイクアップが必要な場合もあるでしょうし、そうでなくても紫外線対策でファンデーションぐらいは使いたいということもあるでしょう。

そうなると、メイクアップを落とすためにクレンジング剤が必要となってきます。

メイクアップをしていなくても、春夏は皮脂や汗の分泌も多くなりますし、空気中には様々な浮遊物があって、それが肌に付着するわけですから、洗顔剤も必要となってきます。

こういった場合、肌の付着物は取らないといけない、しかし、クレンジングや洗顔による刺激も心配ということになります。

クレンジングや洗顔の際は、以下の点に注意しましょう。



クレンジングや洗顔をする際の注意点について


肌にトラブルがある状態では、肌に刺激を与えることを極力避ける必要があります。

メイクアップをした状態で、肌に刺激を与えずに、メイクアップその他の付着物を取り除くには「クレンジング&洗顔」といった2ステップでの洗顔をおすすめします。

また、使用する製品自体も肌への刺激がなるべく少ないものをお選びください。

[関連ブログ記事]肌乾燥を防ぐクレンジング剤の選択について

[関連ブログ記事]肌乾燥を防ぐための正しい洗顔方法について



クレンジングについては、クレンジング剤を肌の汚れ(メイクアップなど)によく馴染ませることです。

この時に、決してこすらずにやさしく馴染ませてください。

クレンジング剤と汚れが馴染んだら、水またはぬるま湯できれいに洗い流してください。

それでも、お肌にはクレンジング剤の若干の油分が残りますので、洗顔剤で洗い流します。



洗顔剤はよく泡立ててやさしく洗うことです。

泡立てる際は、顔の上で泡立てるようなことは厳禁です。

手のひらでよく泡立てたうえで、その泡でつつみこみ、決して強くこすらずに泡を動かすようして洗います。

特に重要なのは、すすぎです。

洗顔剤が、顔に残らないように、水またはぬるま湯で、丁寧にすすいでください。

洗顔後のふき取りも、やわらかいタオルで、こすらずに、おさえるようにして、水分をふき取ってください。



メイクアップをしていない状態でも、空気中の浮遊物等が肌に付着し、それが刺激となる場合もあります。

皮脂も時間が経過すると酸化し、肌への刺激物となる心配がありますし、汗も同様に刺激物となる可能性があります。

ですから、肌にトラブルがある状態でも、洗顔自体は一日に一回は行った方が良いでしょう。

ただ、メイクアップ以外の肌の付着物は水だけである程度洗い流せます。

皮脂も体温に近い温度で溶けだしますので、洗顔時に体温に近いぬるま湯を使うと肌に刺激を与えずに肌の付着物を取り除くことができます。

皮脂の分泌が多い場合は、低刺激の洗顔剤で良く泡立てて、肌を強く擦らずに洗い流します。



洗顔後は、肌が乾燥しやすくなりますので、本来はここで化粧水、乳液、美容液、クリームなどを使用するわけですが、肌にトラブルがある間は控えてください。

肌の乾燥がどうしても気になる場合は、あとのケアは化粧水のみ、あるいは乳液のみで肌を整える程度にとどめるか、使用量を少なめにする、あるいは少品種ずつ慎重に使ってみる等の配慮が必要になってきます。



メイクアップは、紫外線の刺激を弱める効果もありますが、それ自体は肌にとっては異物であり、刺激物となる可能性があります。

メイクアップをされた場合は、メイクアップの必要が無くなりましたら、できるだけ早めに落とすようにしましょう。

繰り返しますが、クレンジング剤や洗顔剤を使用する際は、決してこすらずにやさしくということと、使用後はそのクレンジング剤や洗顔剤が肌表面からきちんと取り除かれるよう注意してください。



中止した後の化粧品の使用について


化粧品の使用を中止して1週間〜10日ほど経過しても、肌が元に戻らないということであれば、原因が化粧品以外にもいろいろと考えられますので、早めに皮膚科医師に相談するようおすすめします。

化粧品の使用を中止して、肌が元に戻り落ち着いてきましたら、化粧品を再使用してよいでしょう。

一挙に全製品を使い始めるのではなく、少量、少品種を慎重に再使用します。

ただ、中には再使用に不安がある方もいらっしゃるかと思います。

そういった場合は、以下の簡単なパッチテストをしていただくのもひとつの方法です。



簡単なパッチテストとは、化粧品が塗りやすく、万一トラブルが起きても目立ちにくい「二の腕の内側」で化粧品を試します。

「二の腕の内側」に化粧品をつけてから48時間以上経過しても、炎症やかゆみなどの反応がなければ問題ないと判断します。

複数の化粧品を一緒に行なうと、どの商品が反応があったのか分かりにくくなりますので、なるべく一品ずつ行なっていただくのがよいかと思います。



なお、一次性の化粧品かぶれ(一次刺激)は化粧品をつけた部位にのみ即時的に反応が現れますが、アレルギー反応の場合は、数日間の潜伏期間の後(場合によっては1週間ほど経過した後)に症状があらわれることがあります。

また、アレルギー反応の場合は、全身に及ぶこともあります。

一次性の化粧品かぶれについては、上記の簡単なパッチテストで化粧品が合うか合わないかの判断がある程度可能かと思いますが、アレルギー反応の場合は、自宅でのパッチテストでは判断が難しいところです。

アレルギー反応によるかぶれと思われる場合は、皮膚科医師への相談が必要です。


初投稿:2008/07/04