化粧品の宣伝広告で「原液」とか「純度100%」というキャッチコピーを見かけます。
何となく濃度が高くて効果がありそう・・・という印象を与えます。
ただ、実際には成分濃度が高ければ効果も高いというわけでもないと思いますし・・・
逆に成分濃度が高ければ皮膚刺激による肌トラブルの心配もあるのではないかと思うのですが・・・
そもそも、法令上は化粧品には効能効果を謳うことは許されていませんし、医薬部外品にしても表示できる効能効果というのは限定的です。
化粧品や医薬部外品は、医師の処方箋も必要なく、誰もが自由に購入できます。
また、使用についても通常は誰からも管理されていません。
だからこそ、化粧品や医薬部外品には、副作用等の可能性が極めて低く安全であること、その効能効果や人体に対する作用は緩和なものであることが求められます。
ただ、効能効果をアピールできないからこそ、様々なことばや表現を利用して「何となく効きそう」と思わせていることは多いように思います。

原液使用という化粧品のからくり

〇〇成分原液とか〇〇成分純度100%という化粧品の全成分表示を見ると、〇〇成分の他に「水」が記載されていたり、その他にも何らかの成分が記載されていたりします。
実は、〇〇成分原液の化粧品といっても、その成分の配合量が1%でも2%でも原液使用と言うこともあります。
原液の本来の意味は「加工したり薄めたりする前の液体」ということなので、なんだかおかしな話ですが、原液化粧品の原液には少し違う意味合いがあります。
化粧品会社が〇〇という成分を使って化粧品を製造する場合、〇〇という成分を原料メーカーから購入します。
その購入した原料成分〇〇を化粧品会社が加工をせずにそのまま使用して化粧品を製造した場合、原液使用の化粧品、つまり原液化粧品と言っているということです。

例えば、化粧品で原液という表現がよく使われる成分にプラセンタエキスというものがあります。
プラセンタエキスは豚などの動物の胎盤を原料としていますが、そのまま化粧品には使用できません。
生のままの原料というのは、肌への有効成分も含まれますが、肌に害を及ぼす成分も含まれています。
胎盤から有効成分だけを抽出し、化粧品へ配合できるような状態(エキス)にする必要があります。
有効成分を抽出しエキスにする際には必ず水が必要になります。
また、水以外の溶剤も必要になります。
水や溶剤、その他エキスを安定させる成分等も含めたものが化粧品原料としてのプラセンタエキスとなります。
そして、そのプラセンタエキスという化粧品原料を化粧品会社が購入し、そのまま(一切手を加えることなく)使えばプラセンタエキス原液使用化粧品となるということです。

これは、コラーゲン、ヒアルロン酸、スクワラン、各種植物抽出エキスを使用した原液化粧品も同じです。
原液とか100%純度とか言っても、抽出エキスにおける元々の原料の濃度というのは、それぞれの原料メーカーや製造工程によって違います。
ただ、濃度が100%ということではありませんし、数%ということもあるということです。
また、他の原料や成分に原液原料を加えて製品化した化粧品の場合、元々の原料の濃度はさらに低くなります。
その場合でも、原液原料自体には手を加えてないのであれば、原液使用化粧品と言ったりしてることもあります。

分かりにくい!純度100%の化粧品とは?

それから、化粧品における純度100%ということばもその意味が分かりにくいかもしれません。
純度とは「品質の純粋さの度合い」ということなのですが、それが100%といってもやはり分かりにくいことばです。
化粧品で純度100%というのは、上記の原液化粧品と同じ意味で使う場合もあれば、天然原料100%というイメージを醸し出すために使う場合もあります。
また、元々の原料の精製度が100%として言う場合もあるようです。
先にも述べましたように、どういう原料であろうとそのままでは化粧品には使用できません。
それは単に化粧品に加えられるような状態(エキス)にするということだけではありません。
元々の原料には、肌に有効とされる成分、肌に害を及ぼす成分、その他様々な不純物が含まれます。
有効な成分のみを抽出するとともに、不純物が含まれないように精製する必要があります。
この精製という作業を完璧に行っていますという意味で純度100%という表現を使っている化粧品もあります。
ただ、現在では精製技術が進み、多くの化粧品会社や原料メーカーでは完璧に近い原料の精製が行われています。
それから、純度100%というキャッチコピーがあるのに、その意味合いの説明が全く無い化粧品広告もあります。
印象操作のためだけに純度100%という表現を使っていることもあるということです。

原液・純度100%・天然100%が安全というわけではない!

原液とか純度100%というと、その元々の原料以外に何も使っていないような、有効成分の濃度が高いようなイメージを与えます。
天然100%の化粧品というと、化学的処置もされず自然原料だけでつくった肌にやさしい化粧品と思いがちです。
また、原液生詰の化粧品という表現も使われます。生詰というと、なんとなく新鮮なイメージがあります。
日本酒における生詰というのは、製造時の工程の違いによって明確に定義化されていますが、化粧品における生詰というのは明確な定義はありません。
上記の原液(原料メーカーがつくったエキス等)をそのまま瓶詰めしたという意味合いのようです。
その場合、容器もシンプルなものが多く、フレッシュな自然原料をそのまま化粧品にしたエコロジカルな商品のようにも見えます。
化粧品会社からすれば、特別な技術やノウハウも必要なく、発注から販売までの期間も短く、コストもかからず利益率も高くなり、良いこと尽くめです。

化粧品の販売においては、消費者にアピールするために、様々なことばや表現が編み出されます。
ただ、本当に正真正銘の「原液」「純度100%」「天然100%」の化粧品があったとしたら、そういった化粧品こそ実は危険なのです。
有効成分の濃度が高いと効果がありそうに思えますが、本当に濃度が高いのか?何に対して何パーセントの濃度なのか?
仮に本当に高濃度であっても、それが肌に対してプラスの作用をもたらすのか?
通常は有効成分を高濃度で使えば、それだけ皮膚トラブル等の副作用の発生リスクも高まります。
化粧品や医薬部外品というのは、その作用が緩和で安心して使ってもらうものでなければなりません。
多くの化粧品会社は、アレルギー反応や副作用等の発生リスクの軽減を第一に考えながら、その中で美肌作用をもたらす製品をつくろうとしています。
本来、強い効果のある化粧品や医薬部外品というのはあり得ないということです。

100%天然というのも耳に心地よいことばではあります。
しかし、動植物など自然界にその原料を求めた場合、本当に100%天然の状態では化粧品には使えません。
それは、肌に対してあまりにもリスクが高いためです。
そういった原料には、有効成分とともに有害成分も存在することが多々ありますし、変質する成分であったり、その他様々な不純物が含まれます。
有効成分を抽出し、不純物も取り除き、変質しないように安定させることが必要です。
そして、そのためには水やその他の添加物が必要になりますし、自然原料を安全かつ有効に使おうとすれば化学の力が必要になるのです。
また、独自技術によって防腐剤等一切添加物を使用せずに100%天然化粧品をつくりましたというのもあります。
しかし、商品が製造された時点では変質する成分等が除去されていても、開封した時点から空気中あるいは手指等から雑菌等の侵入がはじまり、変質の可能性が高まります。
そういった製品が果たして安全なのか?肌にやさしいのか?疑問を感じます。

以下の関連ブログ記事もご覧ください。
[関連ブログ記事]自然化粧品が安全って信じていいの?
[関連ブログ記事]「自然化粧品が安全というのは本当?」について再び

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初投稿:2021/03/16